モンキー改造日記 自作デジタルAC-CDI

頼まれもののイグナイターを修理していたら久しぶり製作意欲がわいてきて、更にプログラム・設計に使っていたノートパソコンが壊れ現在多くのデータが紛失してしまった今、忘れてしまっていることを含めて楽しそうだっと思いモンキー君のCDIを自作することに決めました。

 

圧縮比を上げるほど点火に必要な要求電圧は上がる

空気中で火花を飛ばす場合、放電距離1mm当たり要求電圧は1000V程度必要ですが、これが圧縮空気中になると何倍もの電圧が必要になります。当方のモンキーは圧縮比12.7ほどあるため現状の一次電圧では少し役不足と思い電圧昇圧させてみました。

 

エキサイタ・コイル電圧に【倍電圧整流回路】を組み込んで昇圧。

点火時期をデジタルにて制御

過去は16bitマイコン(インジェクション機能を内蔵させたECUでは32bit PIC32MX)を使っていましたが、今回は点火時期だけを制御させるだけなのでArduino NANO(8bit Mega328P)にて点火時期を制御させてみました。

 

製作にあたり、8bitマイコンでも2点補間でエンジン回転数に見合った点火時期をきちんと求めること。点火出力信号はソフトウェアにてON・OFF作動させるため点火制御時期に他で割り込み処理を実行させないこと(超高回転では点火時期に遅延が応じてしまう・点火時期が勝手に遅角してしまう可能性があるため)に注意を払いました。

 

シリアル通信(データ受送信)処理を組まないとプログラム量は少なくとてもシンプルでした。作りやすかったです。

点火時期の進角方法

モダンワークスさんの小型アウターローター(海外エンジンによく装着されている軽量アウターローター同様)の点火時期はBTDC 35度。

 

純正や社外のお安い自動進角CDIは上記クランクピックアップコイル信号(ベース信号)から点火時期を遅角制御しているだけになります。そのためこの方法ではピックアップコイル信号の点火時期よりも進角させることはできません(可動式のベースプレートでピックアップコイル信号を速めない限りは…)。

 

単気筒でベース点火時期より進角させるには以下二つの方法に限られる。

  1. クランクピックアップコイル信号からクランクシャフト一回転後の点火時期を予測し点火制御を行う方法。
  2. エキサイターコイル(チャージコイルでもOK)からの発生電圧をトリガして、クランクピックアップコイル信号発生前のエキサイターコイル信号から点火時期を制御する方法。

上記1は、電気回路的にシンプルな回路で済む反面、エンジン回転数って見た目以上に変動していて・各工程ごとにも変動しているので、クランク一回転後の点火時期制御ではアイドリングで点火時期がかなり荒れる。この点火時期の荒れは他の負荷に同調する形でハンチングさせる原因になりやすい。

 

上記2は、電気回路が複雑になる反面、点火時期を制御させるポイント(角度)が実際の点火制御角度に近いので、アイドリングなどの低い回転数で点火時期の荒れがとても少なくなる。

過去CDIを1.の方法で作った時に点火時期荒れがひどくてうんざりだったので2.の方法を採用して点火時期を制御させました。

 

ブレッドボード上でテストしているため今後基板設計してきちんと作る予定。マイコンはPIC24を使う予定です。