ホンダ AF62型ディオっち 中古エンジン購入・ボアアップ組付

前回はホンダ AF62型ディオっち タケガワさんのハイカムを買っちゃったを記載してみました。

先日に始動できなかった難有中古エンジンを格安で購入

分解してみたところ吸気・排気バルブの当たり面にカーボン噛みこみで圧縮漏れしていて、バルブすり合わせしてもシート面の荒れが取れず圧縮漏れ直らず。これではエンジン掛からないぞ。

駆動系はほぼ全てのパーツが段付摩耗や錆で全滅「おまけにVベルトが逆方向取付🤣」。

更に調査していくとどうやら野ざらしでエンジン放置していたようで、エンジン内部に水が少々混入、シリンダー内とクランクシャフトの一部ウエイト外周に錆が発生していた。

そしてリアブレーキカムおよびセンタースタンドのシャフト固着。リアブレーキカムを破壊せずに取り外すのに偉く時間がかかってしまった。

激安の中古ジャンクエンジンだからこれも我慢。

早速腰上を取り外してボアアップ組み付け

ボアアップの組み付けと同時に、他に作業しなければならない箇所などが多くて、さすがに疲れちゃった。

ボアアップの各部クリアランス

  • ピストンリング合口隙間「トップ」:0.1mm 最小許容範囲
  • ピストンリング合口隙間「セカンド」:0.15mm 最小許容範囲
  • ピストンリング合口隙間「オイルリング」:0.2mm 最小許容範囲
  • ピストン・シリンダークリアランス:0.01mm 最小許容範囲「このクリアランスだと夏場長い時間高負荷を掛けた走りをした場合焼き付く可能性大のため自身でホーニングを施し 0.03mm までクリアランスを広げてます」

 

各部クリアランスはメーカー指定の最小クリアランス値。丁寧な慣らし運転であたり出しを行いたい。

燃焼室容量および圧縮比の注意点

ボアアップピストンのコンプレッションハイトは約 16mm 「 ノーマルは約 16.5mm 」ほど。 コンプレッションリング厚みは t=1.0mm 「 ノーマルは t=0.8mm 」。ボアアップ後の方がちょっとフリクション増えてるかも。

ノーマルシリンダー全長「ヘッド面~ベース面の距離」は 59.3mm 。新ロッドのボアアップは約 1mm 短い 58.3mm なのでベースガスケットの厚さ選択には注意が必要。旧型のシリンダーはもしかするとノーマルと同じシリンダー全長 59.3mm の可能性があるので、自分のシリンダー全長にあわせて最適なベースガスケットを選択する。

シリンダーの鋳鉄スリーブがヘッド面までない新タイプ・シリンダー「全長58.3mm」使用、 ボアアップ付属 2.0mm ベースガスケット組込「既に少々つぶれてる」、ピストンヘッドのスキッシュエリア部をフラットに加工、スキッシュエリアハイト 1.5mm 「半田で確認」。この状態での燃焼室容量は約 6cc でした。

排気量ボアアップ後 76cc なので燃焼室容量 6cc での圧縮比は 13.7 / 1 。

熱ダレ・抱きつきを避けるために長時間の高負荷走行を避け、ハイオクで少々燃調濃いめ、点火時期を進角させない状況ならば、この圧縮比でも行けるとは思うけど、レギュラーガソリンで燃調は燃費重視とストイキで走らせたいなので圧縮比は 12 / 1 台まで下げたほうが良さそう。

っということでシリンダーヘッド側スキッシュエリアのエッジ部を面取り処理を行い燃焼室容量は約 6.5cc に増加。

圧縮比は約 12.6. / 1 となった。

難有のシリンダーヘッドのバルブシートカット&すり合わせ

さてさてとポート拡大作業に入ろうと思ったら、バルブシートリング側の当たり面が物凄く荒れていて、めっちゃ圧縮漏れしままくりこのままでは使い物にならないので、シートカットしすり合わせで復活させました。

この後圧縮漏れが解消されたのでホッとしました。

吸排気ポート拡大・燃焼室形状変更

ポート拡大はスペイシー100 インマニ改に合わせて、吸気ポート拡大、排気ポートは吸気とのバランスで適当にちょびっと拡大させておきました。

以下は吸気ポート 20mm に拡大後

以下は排気ポート拡大後面倒くさいので仕上げ処理・磨き処理などは一切してません。。。

バルブカーテンから流れてくる混合気がスキッシュエリア確保によって、流れを阻害しており、燃焼室容量も増やしたいのもり、燃焼室加工をしました。

ノーマルの燃焼室形状

燃焼室形状を変更したシリンダーヘッド

タケガワさんのハイカムシャフト

このカムは排気量 49cc でも取付可能だそうなので、最大リフト量はノーマルと同じ、そして作用角をノーマルより増やした特性的におとなしめなカムシャフト。

ベース円は約 25mm。カム山の高さ約 29mm。カム山の最大リフト量約 4mm。

AF61 / AF62 のロッカーアームのレバー比は約 1.5 / 1 ほどに見えるのでバルブ最大リフト量で 5.8mm。これはノーマルカムも同じ値だったので最大リフト量に違いはなし。っというかノーマルで旧カブ系横型エンジンのビックバルブヘッド用のハイカムな最大リフト量にあたる。

タケガワ製ハイカムのプロフィールは…
ロッカアームレバー比:約 1.5
最大バルブリフト量: 5.8mm

1mm リフト時「 バルブクリアランス 0.1mm 」
吸気作用角:220 度前後
・吸気開き: ATDC 0 度
・吸気閉じ: ABDC 40 度
排気作用角:220 度前後
・排気開き: BBDC 30 度
・排気閉じ: BTDC 10 度

バルタイ調整のため長穴加工済みカムスプロケット。

やっと 76cc ボアアップエンジン完成

ヘッドカバーが汚いので再塗装。スペイシー 100 インマニ改&キャブ取付。エンジンオイル交換。ギヤーオイル交換「フラッシングのため二度交換」。

このジャンク中古エンジンはクランクウェーブの一部に錆があったのでクランクシャフトのサイドベアリングは大丈夫かなっと心配。最後の不安は分厚い紙ガスケットって収縮するから「ノンアスベストの黒色のガスケットは収縮しない」 2mm 厚のベースガスケットが潰れ増し締めでペッタンコにならないこと願う。

ホンダ AF62型ディオ 駆動ドリブン側部品など購入